飲食業「店舗管理者」の在留資格は?

飲食業「店舗管理者」の在留資格は?

― 技術・人文知識・国際業務か、特定技能2号か ―

飲食業で外国人を「店舗管理者(店長・マネージャー)」として採用する場合、在留資格は主に次のどちらかが問題になります。

  • 技術・人文知識・国際業務(いわゆる「技人国」)
  • 特定技能2号(外食業分野)

「店長だから技人国」「管理者だから高度資格」といった単純な判断はできません。
実際の業務内容によって、在留資格の該当性は大きく異なります。

本稿では、法令および公的資料に基づき、分かりやすく整理します。


1 制度の基本的な違い

技術・人文知識・国際業務

根拠は、『出入国管理及び難民認定法 別表第一の二』および『出入国在留管理庁 の在留資格解説』です。
この資格は、自然科学または人文科学の分野に属する「専門的知識」を必要とする業務を対象としています。

つまり、理論的・専門的な業務が中心であることが前提です。

特定技能2号(外食業)

特定技能制度は、人手不足分野において即戦力となる外国人を受け入れる制度です。
制度概要は外務省および出入国在留管理庁が公表しています。

特定技能2号は、熟練した技能を有し、現場を統括できる人材を想定しています。

現場実務を前提とする点が、技人国との大きな違いです。


2 「店舗管理者」はどちらになるのか?

判断のポイントは非常にシンプルです。

その人は何を主な仕事としているのか?

肩書ではなく、実際の業務内容で判断されます。


3 技人国に該当するケース

次のような業務が中心であれば、技人国の可能性があります。

  • 複数店舗の経営企画
  • 事業計画の立案
  • 財務分析・原価管理
  • 人事制度設計
  • マーケティング戦略の策定

ここで重要なのは、現場作業(調理・接客)が主業務ではないことです。

技人国は単純労働を対象としていません。
接客や調理が中心であれば、資格該当性が否定される可能性があります。


4 特定技能2号に該当するケース

一方で、次のような業務であれば特定技能2号の対象となり得ます。

  • 店舗の現場統括
  • 調理・接客を含む実務指導
  • シフト管理
  • 品質管理
  • 現場改善の実行責任

特定技能2号は、熟練技能者として現場をまとめる立場を想定しています。

現場業務を含むこと自体は問題ではありません。
むしろ、それが前提となる制度です。


5 実務でよくある誤解

誤解① 「店長=技人国」

肩書だけでは判断できません。
実際に何をしているかが審査対象です。

誤解② 技人国で現場中心業務

例えば、

  • 調理が7~8割
  • 接客が主業務

このような場合、更新時に資格不該当と判断される可能性があります。

誤解③ 特定技能2号は誰でも移行できる

特定技能2号は、一定の技能水準や実務経験が前提です。
単なる一般スタッフでは該当しません。


6 判断基準の整理

観点技人国特定技能2号
制度趣旨専門知識の活用熟練技能の発揮
現場作業原則不可(付随的なら可)主業務として可
学歴要件原則必要不要(技能評価が中心)
在留上限制限なし制限なし
家族帯同

7 更新審査で見られるポイント

出入国在留管理庁 の審査では、

  • 在留資格該当性
  • 実際の活動内容
  • 事業の継続性

が確認されます。

更新時に、『申請書では経営管理と記載しているが、実態はほぼ調理業務』という場合には、問題が生じます。


8 まとめ

飲食業の店舗管理者については、

  • 経営企画型なら技術・人文知識・国際業務
  • 現場統括型なら特定技能2号

という整理が基本です。

最も重要なのは、肩書ではなく「実態」で判断されるという点です。

在留資格の選択を誤ると、不許可や更新不許可につながる可能性があります。
採用段階から業務内容を整理し、制度趣旨に合致した設計を行うことが重要です。

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