不法就労助長罪の厳罰化と企業実務への影響
― 技能実習・特定技能における不法就労の行政責任と「技術・人……

近年、日本における外国人留学生数は増加傾向が続き、2025年には約43万5千人に達しました。これは、政府が教育未来創造会議で掲げた「2033年までに外国人留学生40万人受入れ」という目標を大幅に前倒しで達成したことになり、社会的にも大きな注目を集めています。
しかし、留学生制度の運用においては、学業よりも就労を主目的として来日するケースや、資格外活動許可の範囲(週28時間以内)を超えて働く事案が課題として指摘されてきました。こうした状況を踏まえ、出入国在留管理庁および文部科学省は、留学生の在籍管理や資格外活動の適正化に向けた取り組みを強化しています。具体的には、
といった施策が進められています。
留学生の中で在留資格として人気の高い「技術・人文知識・国際業務」(いわゆる技人国)についても、近年は業務内容の適合性がより厳格に確認される傾向にあります。
同在留資格は、理学・工学・法律学・経済学・社会学などの専門分野に基づく技術・知識を要する業務、または外国の文化に基づく感受性を必要とする業務に従事することを目的とした制度です。そのため、現場作業や単純労働を主たる業務とすることは認められていません。
名目上は技人国として雇用しながら、実態として認められない業務に従事させる事案については、入管当局による審査・実態確認が強化されており、特に派遣・請負形態では、契約上の職務内容と実際の業務内容の整合性が重要なポイントとなります。
技人国は更新回数に上限がなく、家族帯同も可能であることから、外国人本人にとって魅力的な在留資格です。しかし、ここに日本企業側のニーズとのギャップが生じています。

「生成AIによるイメージ」
現在、日本国内で特に人手不足が深刻な分野は、建設、介護、農業、飲食料品製造業、外食業、自動車運送業など、いわゆる現業系の産業です。これらの分野では、特定技能制度および今後開始される育成就労制度による人材確保が想定されています。
一方で、外国人本人の希望は、より待遇が安定し専門性が評価される技人国などの専門職系在留資格に集中する傾向があります。その結果、 「企業が求める人材」と「外国人本人が希望する在留資格・職種」 の間にミスマッチが生じやすい状況となっています。
政府は2024年3月29日の閣議決定において、2024〜2028年度の5年間で特定技能1号の受入れ見込数を約82万人としました。これは各産業分野の人手不足数を基礎として算出されたものであり、今後も現業分野を中心に受入れ拡大が進む見通しです。
技能実習制度に代わる新制度として創設された育成就労制度は、人材育成と人材確保の両立を目的としています。従来の技能実習制度と異なり、特定技能1号への移行を前提とした制度設計となっている点が大きな特徴です。
現在、日本には約45〜50万人の技能実習生が在留していますが、今後は制度移行に伴い、育成就労制度および特定技能制度を中心とした受入れへと転換が進むことになります。2025年末時点で特定技能の在留外国人数は約36万人に達しており、今後も増加が見込まれています。育成就労制度の本格運用が始まれば、外国人材の受入れ規模は100万人を超える可能性も指摘されています。
一方で、2026年1月1日時点の不法残留者数は68,488人と公表されており、外国人材の受入れ拡大と並行して、適正な在留管理・就労管理の重要性はますます高まっています。
外国人材の受入れは、日本経済や地域社会を支える重要な政策である一方、
など、多くの課題が存在します。
今後は単に受入れ人数を増やすだけではなく、外国人本人が適切な在留資格のもとで能力を発揮し、企業側も適法かつ安定的に雇用できる環境を整備することが求められています。制度の適正運用と現場の実態に即した雇用管理が、外国人材と日本社会双方にとって持続可能な仕組みを築く鍵となるでしょう。